2004年02月01日

クルス・マルケル監督の「ラ・ジュテ」

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写真は「サン・ソレイユ」のパンフレット

友人がクルス・マルケル監督の映画「サン・ソレイユ」のDVDと小津安二郎作品の映画「風の中の牝鶏」、「東京の合唱」、清水宏監督の「花形選手」、島津保次郎監督の「隣の八重ちゃん」のビデオを届けてくれた。

小津安二郎作品の映画「風の中の牝鶏」、「東京の合唱」は過日NHK・BSで放映していたのだが見逃していたし、「サン・ソレイユ」、「隣の八重ちゃん」も見たことがなかったのでうれしい。

最初に「サン・ソレイユ」を見た。前から見たいと思っていた作品。発売元は渋谷のアップリンクhttp://www.uplink.co.jp/ 何年か前にアップリンクで高嶺剛監督の「夢幻琉球 つるヘンリー」を見たことがある。ビデオやDVDも販売しているのだなと思う。このような映像を販売するのはアップリンクかイメージ・フォーラムくらいなものだろう。一般ウケするような作品ではないけれど、レンタル・ビデオで借りられるような作品ではないのでありがたい。

モノクロの画面、どうやらSFのような話らしい。スチール写真をもとに映像化したもののようで画面は動かない。ストーリーは写真だけで構成されていてモノローグのナレーションが映画を物語る。なかなかイイと思って見ていたら、これは「サン・ソレイユ」ではなくて、クルス・マルケル監督が'63年に撮った「ラ・ジュテ」だった。お目当ての「サン・ソレイユ」よりもこちらの「ラ・ジュテ」のほうが面白かった。この映画はテリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」の製作に大きな影響を与えたというが、映画のデキとしては「ラ・ジュテ」のほうがずっとすぐれている。最近の映画は語る過ぎる。このクリス・マルケルの映画はモノクロのSF紙芝居という趣があり、見るものの想像力を刺激するのだ。そこがいい。また映画とは「映像」と「語り」なのだとあらためてかんがえさせられる。「サン・ソレイユ」は期待したほどではなかったけれどこの「ラ・ジュテ」を見られてよかった。クルス・マルケルが関わった映画でわたしが他に見ているのは「ベトナムから遠く離れて」だけ。

他の作品も見たいものです。

きようから「はてな日記」もおろしろそうなので試しに始めてみた。このエントリーははてな日記をそのままコピーしました。http://d.hatena.ne.jp/fuqusuke/

追記 小津安二郎の映画感想の掲示板はこちらです。 http://fuqusuke.main.jp/phpBB/

Posted by fuqusuke at 2004年02月01日 22:41
Comments

トラックバックだけしたままで失礼いたしました。
こういうカタチでの映画との出会い、素敵ですね。

僕は学生時代に友達に自主上映会に連れて行かれました。15、6年前でしょうか。多分、押井守監督が、卒業制作の作品を撮るときに影響を受けた、というような情報を得て、見に行こうということになったのだと思います。

小津とか成瀬巳喜男とかも好きで、映画館でかかっているとよく見に行きました。「風の中の牝鶏」や「東京の合唱」と「サン・ソレイユ」のビデオを届けてくださる友達、というのがうらやましい(笑)。

Posted by: poipoi1981 at 2004年05月31日 21:01

poipoiさん、コメントをどうも。

見知らぬ方からコメントがあると「blogやっててよかったなぁ〜」と思います。

「サン・ソレイユ」を送ってくれた友人は、最近また「風の又三郎」1940、成瀬巳喜男の「めし」、清水宏の「按摩と女」1938、島津保次郎の「兄とその妹」、そしてBrian Wilsonの"On Tour"のDVDも送ってくれました。そのかわりにわたしはDavid Sylvianの"blemish"を送ることになっているのですが、不精な性格ゆえまだ送っていません。(笑)

Posted by: fuqusuke at 2004年05月31日 23:11